2017年11月30日

叢生・でこぼこ症例 その4

16歳 高校生男性 
患者さんとお母上様のご希望は”歯の凸凹を治したい”ということです。 

治療前
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お口元の写真
下の唇がやや出ているかな、という感じを受けます。 横顔と正面から
見ると、オトガイ部の軟組織はやや緊張がみられ上下の唇が閉じにくそ
うです。 おそらく、上の前歯の先端部が下唇に当たっているため下唇
が突出した感じになると思われます。
 

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お口の中の写真 
まあ! 確かに凸凹ですね。
上下顎ともに前歯に叢生(凸凹)が目だちます。 上の前歯2本の捻転が
ひどく目だちます。 また、奥歯も個々には捻転(ローテーション)して
います。奥歯は大きな歯なので、捻転していると改善には意外と時間がか
かる場合があります。この程度のものはよくある症例で、比較的簡単で苦
労なく治るケースですね。


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診断
この症例の分類は叢生症例という分類です。 
顎の骨にくらべて、歯の成分(数と大きさ)が大きすぎます。

治療方針
上下顎左右側第一小臼歯4本を抜歯して、通常の矯正装置によって治療を
行いました。叢生の程度だけから判断すれば、非抜歯(歯を抜かない)に
よる方法も考えられます。ご希望に応じて対応できる範囲と考えます。

 
治療後
2年2ヶ月の動的治療を行いました。 
決して患者さんがサボったわけではありませんが、クラブ活動をしながらで
の治療なのでこの程度は普通と思われます。


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お口元の写真 
下唇の突出は改善されたようです。 オトガイ部の軟組織は緊張がなくなり、
オトガイの自然なふくらみが得られています。 
非抜歯の治療を選択することもできる、と治療前の治療方針で書きましたが、
非抜歯ではこのお口元を達成することはできなかったかもしれません。


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お口の中の写真
上下前歯の状態はたいへん良くなりましたね。 見た目にも、咬合機能から
みても完璧です。 特に上下の奥歯のかみ合わせは緊密になっています。  
歯の裏側に茶色く色素が沈着してきています。 ウーン。 タバコをすって
るのかなあ?

 
下の前歯の歯肉が退縮し、歯と歯に三角形の空隙が生じています。 元々、
下の前歯に叢生があったのですが、叢生を治療すると歯肉が退縮したように
見えてしまいます。 叢生で歯と歯は接近した状態では本来あるべき歯肉が
存在しません。 歯肉が”ない”のです。 
治療によって叢生が解消され、歯と歯の距離が本来のものになっても元々歯
肉がないので空隙が生じてしまいます。 成長期にあれば多少の回復は考え
られますが、この方には十分ではありませんでした。 できればあと数年以
前に取り組んでいれば・・・・。 可能であれば小学生のうちにできていれ
ばよかったと思います。 


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評価
全体のバランスからみれば欠点をおぎなって余りある治療結果が得られて
いるので良い治療ができたと思われます。
医療は個人差がありますので、結果は必ずしも同じになるわけではありま
せん。しかし、この程度の叢生(でこぼこ)症例は、ほとんどこの程度に
は治すことができます。







posted by doc at 13:57| 治療例(叢生・でこぼこ)

2017年11月28日

叢生・でこぼこ症例 その3

30歳 成人女性 
患者さんのご希望は歯の凸
凹を治したい、ということです。
 うーん、かなりきてますですね。 上下とも左がわ(向か
って右がわ)の犬歯2本の位置異常が目立ちますね。
このような犬歯の状態を”低位唇側転移”といいます。
簡単に言えば”八重歯”という表現がそっくりあてはまり
ますが、これを”かわいい”と思っている人がいまだにた
くさんおられます。 困ったことです。 さて、この方小
さなお子様がおられるのにかかわらず、ご遠方より通って
いただき、しかも大へんまじめで治療に理解のある患者さ
んでした。
 

治療前
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お口元の写真
特にひどいというわけでは
ありませんがやや骨格性下顎前突症(受け口)の傾向がう
かがわれます。 ほっぺたの前へのふくらみが少なく(正
常であれば英文字の”D”のように前へふくらむ)、ペタン
としています。 これをストレートタイプの側貌といいます。


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お口の中の写真 
先に述べたように上下の左
側(むかって右側)犬歯2本が低位唇側転移し、上の左側の
側切歯(2本目の前歯のこと)が内側に入り込み(舌側転
移という)、下の前歯と反対にかんでいます。 上の右側
(向かって左側)側切歯(2本目の前歯)も内側に向かっ
て生えています。 いずれも、骨の幅(大きさ)に対して
、生えている歯の大きさが大きすぎることが原因です。


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上から見た写真をご覧ください。 歯が凸凹しているのが
よくわかりますね。 正面から見るよりもわかりやすいと
思って、上下の全体の写真を入れてみました(重くなって
申し訳ないですが・・・。)。 歯の裏側を見ると、茶色
く色素が沈着しています。 おそらく、歯ブラシが行き届
いていないのでしょう。 これだけ凸凹にならんでいると
、歯ブラシをいくら一生懸命努力しても限界があります。
 だから、このままの状態を続けると将来、歯ブラシ不足
の場所から歯肉炎(はぐきが赤く腫れて出血する)や歯周
病(歯肉炎が更に進行し歯の周囲の骨が破壊される)を引
き起こす原因となってしまいます。 この病気を予防する
ためには、矯正治療はとても有効な手段です。

 
先ほど、この方骨格性下顎
前突症(受け口)の傾向がうかがえると申し上げました。 
あれ、前歯は”受け口”じゃないのに? 不思議だな? 
とお思いでしょう。 上あごの歯列に比較して下あごの歯列
が広く並んでいます。 上あごの歯列の横幅が狭いことが原
因のひとつです。 この様なことはまま見受けられることで
、治療を難しくするひとつになる場合があります。
 
 
診断と治療方針
症例の分類は叢生症例という
分類で、骨格的には下顎前突症の傾向を持ちます。 上下顎
左右側第一小臼歯4本を抜歯して、エッジワイズ装置によっ
て治療を行いました。 上顎の歯列を広げ、下顎の歯列を狭
くしました。


治療後
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治療期間 2年1ヶ月
動的治療は、時間を十分に
かけて細かく治療を行った結果のわりには短くできました。

お口元の写真 
大きな変化はないようです。 

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お口の中の写真
上下前歯の状態はたいへん
良くなりましたね。
 皆様いかがですか? 見た目にも、咬合機能からみても
完璧です。 
 歯の裏側の茶色く沈着した色素も取れてきているように
見えます。 きっと、この方の歯ブラシが効果を上げてい
るためと考えられます。 下あごの着色はほとんどなくな
りました。 先にこの方はまじめな患者さんだと述べまし
たが、私の言うアドバイスをよく聞いていただき、歯ブラ
シの努力をして下さいました。 このようなまじめな患者
さんにはこちらも努力を惜しみません。


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この程度の仕上がりの良さの割には、治療期間は短い目
です。 細かい部分まで時間をかけて処置を重ねること
ができました。 
  成人の矯正治療では、患者さんのニーズに合わせた治
療が必要です。この方は治療期間よりも治療内容を重視
されたので、その方向に沿って治療をさせていただきま
した。 
治療にたいへん協力的で、治療内容への理解も深かった
ですね。 この様な望みをお持ちの方には私は自分の技
術、知識、経験を出し惜しむことは一切しないことにし
ています。これも私のコンセプトのひとつです。
 

経過5年5ヶ月後
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お口元の写真装置を撤去後5年5ヶ
月です。現在も保定が行われています。いやー、いつ
までも若々しいですね! お年を取られた感じが全く
しないですね。


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お口の中の写真

歯列の状態は良好に推移しています。
元々、叢生がありましたので時間がたつと再び叢生が
戻ってくることがありますが、この症例は全くその傾
向が見られません。歯の裏側の清掃も抜群です!
歯列が整えば、清掃はやりやすくなります。


ご本人がまじめで、リテナー(保定装置)をしっかり
と使用していただきます。 週に数回ですが夜のみの
ご使用をしていただいています。 良い結果が維持さ
れています。
まじめな方には、必ず幸運が訪れるのです!


残念な点もあります。(右上)
上下前歯の中心が少しくるってきています。 治療開
始時もくるっていましたが、その方向に戻っています。


の理由を考えます。
左右の奥歯の咬合状態をご覧下さい。(右中下)
治療終了時よりも上下の奥歯がしっかりと咬み込んでき
ていると見られます。 このこと自体はとても推奨され
るべきことです。 
しかし、その咬み込みの量が左右で少し異なったため、
左右のずれが発生したものと推測されます。


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評価
100点満点中95点
でしょうか・・・。
前歯の中心のずれがなければ満点でした。
しかし、5年を越えてここまで治療結果が維持されるの
はすごいことなんですよ。




posted by doc at 20:51| 治療例(叢生・でこぼこ)